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シャルル九世年代記

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メリメ『シヤルル九世年代記』石川剛・石川登志夫譯　岩波書店　昭和27　初版

宗教改革後の1572年、佛蘭西は内亂状態にありました。主人公メルヂーは、プロテスタントの貴族ですが、兄はカトリツクに改宗しています。巴里で王の輕騎兵中隊を率いる兄に倣い、メルヂーもまた、王の寵臣コリニーに會つて一役命じられようと考えました。その旅において、數人の女性に氣に入られて戀をし、また戀の爲に命懸けで闘争をします。コリニーが暗殺されると、プロテスタントを虐殺する歴史的事件が勃發し、この事件は宗派の異なる戀人と兄弟を、残酷な結末へ押し流すのでした。
Prosper Mérimée　は1803年、巴里のブルジヨアの家庭に生まれ、早くから創作をし、1829年にはこの〝La chronique du re｀gne de Charles 9〟で好評を得ました。官界へ入り、文化保護監督官となつた後には〝Carmen〟を書いて居ます。
文庫本です。表紙と最初の頁の破れが補正されています。